人気ブログランキング | 話題のタグを見る


カナディアンロッキーで暮らす茶道とカルトナージュ愛好家の日々


by canadianlife

S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

以前の記事

2022年 01月
2021年 10月
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
more...

「濃茶」考

「濃茶」考_a0047577_12361942.jpg
日本に帰っていたお弟子さんから「濃茶」をお土産に戴いたので
今月のお稽古は「濃茶」にしました。

「濃茶」考_a0047577_1237639.jpg
主菓子は、桜上用。
御製は、いつもの「ますだ庵」。
僅かに塩を利かせた小豆餡、甘さがより引きたって美味でした。
口に甘さが残るうちに、濃茶を戴くのは、茶人の至福のひと時。

「濃茶」考_a0047577_12421043.jpg
濃茶は、せめて3人分は練らないと、美味しい「お濃」(「お薄」に対して
こう呼びます)になりません。

丁寧に漉した濃茶を、茶入れからたっぷりと合計9杓、掬って茶碗へ。
釜から、程よく煮立ったお湯を柄杓で汲み、茶碗へ静かに流しいれる…。
よい茶はお湯を含んだ瞬間、ぱぁ~っと香りが立ちます。
茶筅で、始めはゆっくりと、だんだん強く、よ~く練って…

濃茶は練れば練るほど、艶やかで、程よい「とろみ」が付いてきます。
最後に、飲みよい濃さに調整するため、適量の熱湯を加え、また練り練り…。

20年以上に及ぶ京都のお稽古で、濃茶をしっかりと学ばせて戴きました。
濃茶一服を味わうために、懐石、つまり「茶事」があるのだと言うことも!
「濃茶」考_a0047577_924883.jpg






お濃茶は高価なものなので、お稽古のときは量を控えるようにと指導される
先生がいらっしゃるとしたら、猛烈に反発したくなってしまうのは私だけでは
ないと思います。

本当はたっぷりと使うのですが、お稽古だから少なめに…というお稽古なら
しない方がマシ、と思ってしまうのです。
現に、お家元主催の指導者講習会でも、そう言ったお稽古は、たとえ海外で
あっても、してはいけないことと、いつもたしなめられています。

昔と違い物流が発達した今は、EMSなら発注して1週間もあればカナダに
だって届くのですから…いい時代になったと、喜んでいます^^

日頃のお稽古が、いかに大事か。
大切なお客さまに、美味しい濃茶をおだししようとしたとき、日頃から適量の
お茶とお湯加減をしっかりと身につけておかないと、いざ美味しい濃茶をと
気張っても、できるわけがないのです。

損得を考えては、本物の茶道は教えられない…これが究極の答えなのかも
知れません。

たとえカナダの僻地で暮らしても、美味しいお茶を点ててもらえるように、ここ
だけは絶対に譲れないというラインを、私なりに守って教えて行こうと、熱心
にお稽古に通ってくれるYukariさんが、しっかりと練ってくれた美味しい濃茶
を戴きながら、自分を奮起させました。
by canadianlife | 2014-04-17 19:31 | 茶道

リンク集

カテゴリ

全体
カナダ・ライフ
ロッキー・ライフ
カルトナージュ
茶道
New York
旅(北米・Asia)
日本の旅
ハイキング
ウインタースポーツ
クッキング
グルメ(Canada&NY)
グルメ(Japan)
和菓子
ロッキーのレストラン
Gel Nail
わんこ
ゴルフ
Camera
Wine
JAPAN Life
Artist
クリスマス
Music
Movie
オフィスライフ
no title
京都

その他のジャンル

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

海外生活

画像一覧